自営業で飲食店をやっていたら色々なことを経験するわけです。
無銭飲食されたり、酔っ払いと戦ったり、バイトさんが飛んだり、忙しい日に限って冷蔵庫や製氷器などの什器が壊れたり、ラッシュ時間に停電したり、ガスボンベが空っぽで火が付かなくなったり、お客様にカレーをひっくり返したり、ありもしないクレーム電話で返金騒ぎになったり、お客様の運転する車に轢かれたり…!
普通に(?)会社員で内勤のお仕事とかだったら経験しないんだろうなーということが日常茶番時のように降りかかるのが自営業の飲食店なんじゃないかと思うんですが、その中でもとびっきりの「こりゃ普通の人は経験しないだろうよ!」ってのが今回のお話し。
出勤したら泥棒に入られていた件。
はーじまーるよー!笑
ショック!空っぽのショッキングピンクのレジ
ちょうど3年前の出来事です。
いつも通りカレー屋さんに出勤すると、いつもと同じはずの光景なのに、いつもと何かが違うのです。
脳内で高速で処理される間違い探し。
……レジの周りがとっ散らかっている…?
”いつもと同じように見えていつもと違う光景。”
それは、ドロワー(引き出し部分)が全開になったレジスター。
レジ台の上に転がる空っぽの小銭入れ。
そして周囲の床にはとっ散らかった封筒やらメモ用紙やら。
そうです、忘れもしない2023年5月15日、カレー屋さんが泥棒に入られたのです!
普段からミステリー・サスペンス映画を好んでいたわたくし。
裏口の鍵はかかっていた、ということは…密室!?
そう分かった瞬間、ママさんに向かってこう叫んでいました。
「犯人がまだ中にいるかもしれない!」
人生においてこのセリフを口走ることって、あるんですねぇ(あるんです)。

これが現場の写真です。
わたしのフライドポテトバッグを返しやがれ。
さて、幸いなことに犯人はすでに逃走していて、お店には誰もいませんでした。
すぐに警察に来てもらい現場検証。
トイレの小窓が破られ、犯人はそこから侵入&逃走したようでした。
盗まれたものはレジに入れていた釣り銭の小銭が約2万円ほど。
他には倉庫にストックしていた瓶ビールが約半ケース。
そしてわたしが買い出しに行く時に使っていたフライドポテト柄のトートバッグ。
店内に売り上げは置いておらず、全てママさんが自宅に持ち帰っていたので大きな被害はありませんでした。
釣り銭の小銭についても、レジのドロワーを開けておく決まりになっていて、それは万が一泥棒が入った時にレジを破壊されないため。
小銭だけなら大きな痛手は無いから、むしろそれで諦めてくれるならどうぞ!のつもりで、釣り銭だけレジに残しておくようにしていました。
不幸中の幸いか、日頃のそういった心がけのおかげで大した損害はなかったものの…!
泥棒に侵入された、その事実がもう超怖い!!!
侵入経路は当時居酒屋さんとの間の草木が生い茂る人目に付かない裏道。
すでに建物老朽化のための立ち退きが決まっていたのですが、「やっぱりこのビルじゃやってけないわなー」。と改めて感じたものです。
そしてわたしの買い出し用のフライドポテトバッグ!
超気に入ってたんだ!絶対ビール運ぶのに使っただろ!クソ〜!

ここが侵入経路。
お客様たちの優しさに涙
当時「朝カレー」をやっていて9時オープンだったうちのお店。
店内を大きく壊されたり、荒らされたり、は無かったものの、現場検証や事情聴取などなどで当然ながら9時オープンは出来ませんでした。
そのことをSNSでお知らせすると、すぐさまお客様たちから心配の声が。
そりゃそうだよね、心配するよね、泥棒に入られましたなんてね…。
ところが厨房から香ってくる美味しそうなカレーの匂い。
そうです、ママさんはこんな時でもカレーを仕込んでいたのです。
「11時から開けようか〜いける〜?」
ってなノリで、どんな時でも休まず営業、経営者の鏡だぜ…!とあっけにとられ感心したものです。
11時オープンは出来そうです、が、困ったことに釣り銭が無いのです!そりゃあ盗まれたからな!
そして両替に行く時間も無さそうだったので、これまたSNSで「今日は細かいお金もしくはPayPayで払ってくれるとありがたいです〜」的な発信をしました。
すると、ご近所の「おもちゃの平野」の店長さんがたくさんの小銭を手にすぐに来てくださり「両替するよー!」と…!
お客様たちも100円玉10枚とかご自宅にある小銭をかき集めて来てくださって、おおん感無量。まじでみんなめっちゃやさしい…(涙)
泥棒に入られて心がザワザワしてましたが、なんとかランチタイムを乗り越えたのでした。

破られた窓。
商売人をなめんなよ根性
さて、その日の夕方から翌日にかけて、「カレー店で現金約2万円盗まれる」の見出しが北海道のローカルニュースを駆け巡りました。
すべてのキー局が取材に来て夕方と朝のニュースに流れまくり。
しかもその数日後、他にも泥棒の被害にあったお店があって同一犯の連続犯行!と世間を賑わせたのです。
想像してください。
普段、「カレー特集」などでテレビ局が取材に来てくださったとしても、ひとつのチャンネルで流れるのみ。しかも決まったコーナーの決まった時間で。
それが、すべてのキー局(テレ東を除く)で、数日間に渡って何度も流れるわけですよ。
うちの店舗の外観と内観と、ママさんのインタビューも含めてね。
分かりますか?
このとんでもない認知獲得効果が。
翌営業日からとんでもない忙しさ〜!!!!!
常連さんはもちろん、今回のニュースで知った初めての人まで〜〜〜!!!!!
と、と、とんでもない忙しさ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
ええそうです。
泥棒特需とは絶対言いたくは無いが実際そうだったのだから仕方あるまい。
泥棒さんよ、盗まれた小銭の金額よりずーっとずっと、しっかり稼がせてもらえましたぜ?
商売人をなめんなよ?(キリッ)

ものすごい宣伝効果(小声)
それもこれも「経験」として昇華消化。
そんなこんなで心配して駆けつけてくださるお客様がとても多く、お菓子やお見舞いやら本当にたくさんのお心遣いをしていただきました。
ほぼ女性陣だけでやっていたお店だったので、防犯面などでも本当にご心配していただき、腹の中では「なめんなよクソ泥棒がよ〜(わたしのフライドポテトバッグを返せ!)」と怒ってはいても、「侵入された」事実でしばらくの間は出勤の時ドキドキしてましたもん。
あ、あと「泥棒に入られたせいで閉店を決めた」
的な投稿も見かけましたがそれはまったくありませんのであしからずです(笑)。
ちなみに犯人はその後1ヶ月くらいで逮捕となりました。
犯人の部屋から証拠品としてフライドポテトのバッグが出てきまして、警察の方から「お返ししますか?」と聞かれましたが、しっかりお断りしておきました、いらんて!
まぁ、本当に、自営業の飲食店ってのはハード面でもソフト面でもトラブル多く色んなことを経験するわけですが、「泥棒に入られる」ってのはなかなか経験することじゃないよなぁと振り返ってみました。
短い間でしたが会社員をやっていた期間、「会社員ってトラブルらしいことが何も起きないんだなぁ…」としみじみしたもんです。
YouTubeにニュース動画が残っていたので貼っておきますね↓
https://www.youtube.com/watch?v=-u51UoS3Xx8
https://www.youtube.com/watch?v=a4JnWR6ojV4
当時のお客様たちには本当にご心配をおかけしましたが、こうしてコラムのネタとして昇華しておきましたんで、これ以降は毎年この時期にこのネタをこすりまくろうと思っております(そういうとこだよね〜)。