皆さんこんにちは!
とらのいスパイスの店長です。
さて、[前編]では、かつて愛されたお店を立ち退きで閉店し、わたしが広告代理店という「外の世界」で働き出したところまでをお話ししました。
今日はその続き、わたしがカレーの世界に戻ることを決定付けた、とある出来事のお話です。
ぜひ最後まで読んでくださいね♪
冷凍カレーか、それともスパイスか
上司から「冷凍カレー」やレトルトをEC(通販)でやってみては、と打診されたわたしは、「スパイスなら出来るかもしれません」と提案をしました。
というのも、ぱお時代にも冷凍カレーを販売していたのですが、製造、在庫、配送とすべての流通においてコストがかかりすぎるので、商売として現実的ではないと分かっていたからです。
またレトルトカレーもぱお時代に何度かチャレンジしたことがありましたが、スパイスの風味がうまく残らない、味に納得できないことが理由でお断りした経緯があります。
スパイスであれば、製造、在庫、配送といった流通の面では優秀だし、「作る」というハードルはあるものの、お客様へのサポート体制を整えることでおうちで美味しいカレーを作ってもらえるのではと考えました。
というのも前編でお話したように、
「家であのスープカレーが食べられる」
ということをわたしはすでに分かっていたから。
商品化についての不安はあまりありませんでした。

わたしは「あのカレーが大好きな人たち」が大好きだった
とは言え、二度とカレーの世界に戻らないと決心していたわたし。
いくら上司からのプッシュがあったとは言え、決断までには時間が必要でした。
でもやっぱりいつも頭の片隅にあったのは、
「あのカレーをあの人に食べてもらいたい」
というものすごく素直でまっすぐな気持ち。
この気持ちに蓋をして無視をすればいいのに、自分だけがママさんの作るカレーをこっそり食べていればいいのに、わたしにはどうしたってそれが出来なかったのです。
だって、20年以上毎日毎日、美味しそうにカレーを食べるお客様たちの顔を見てきたんですもん!
ぱおが無くなるとき、泣いて惜しんでくれた人。
遠いところから飛行機に乗って駆けつけてくれた人。
雪が降る中での大行列。
そんな方々を心の中で無視しつづけるなんて、わたしには出来なかったんです。
半ば勢いでした。
えーい!って感じで上司に「やります、やらせてください」と言いました。
はー言ってしまった、どうしよう!
ここから怒涛の会社員とスパイス屋さん二足の草鞋生活がスタートしました。

怒涛の「幕開け(マクアケ)」
スパイス事業をやろう!と決断した時に最初からオンラインストアを作るのではなく、まずはクラファンで注目してもらおう、と提案されました。(さすが広告屋さんです)
Makuakeという、新しい商品を応援購入できるクラファンサイトで最初の一歩を踏み出すことにしました。
会社の事業という形でスタートしたスパイス事業ですが、わたしの本業はデザイナーです。
通常の業務時間はデザイン業務でタスクが埋まっているので、スパイス事業は時間外か土日の休日にやらなければいけません。
平日はデザイナー、夜と土日はスパイスキットの開発とMakuakeのための商品ページの制作や撮影…ととにかく多忙を極めました。
本当にこの期間のことは記憶がないくらいにぶっ続けで働いていました!
Makuakeでの販売がスタートしたのが2025年5月26日。
忘れもしません。
通勤中の地下鉄の中でわたしは泣きそうになるのを必死にこらえていました。
だってスマホの通知が鳴り止まないんですもん。
朝9時スタートなのに9時1分の時点ですでに注文が入っていて。
その後も次々と入る注文。
最初に準備した約300セットはスタートから2時間ちょっと、お昼前には完売してしまいました。
慌ててママさんに相談し、製造体制を整えた上で追加販売スタート。
結果的に639セットが売れました。
とんでもない数です…!

「ありがとう」が教えてくれた、事業の重み
そこから今度は当初の想定の倍の数の製造作業です。
これはもう、我が家のメンバー大集合!というわけで、製造場所をレンタルして家族総出でスパイスの製造に当たりました。
おかげさまで大きなトラブルなくすべて発送することができ、少しずつお客様からのレビューやコメントが届きはじめました。
「「ぱお」が閉店して寂しい思いをしていましたが、今回のキットで手軽にあの味をよみがえらせる事ができ感動しかありません、ありがとうございました。」
「禁断症状を発症していたぱお中毒からやっと解放されました♪ わかりやすいレシピ&本格的なスパイスキットを開発していただいて本当に大感謝です!」
「再びカレーを食することができましたこと、それをサポートいただいております本件の皆さまに感謝したいと思います。」
「このキットを作ってくれて、本当にありがとうございます!!」
(Makuakeのレビューより抜粋)
「ありがとう」って、買ってくださったわたしが言う言葉だよね?
なのに、お客様たちの多くはわたしに「ありがとう!」を言ってくださるのです。
中には「ママさんを説得してくれてありがとう!」という声も…!
そしてMakuakeの特典として開催したスープカレー料理教室でも、お客様たちからの「やってくれてありがとう!」という声をたくさんかけていただきました。
わたし、この人たちを絶対に裏切れない。
この時、わたしの中で確実に何かが変わりました。

応援コメントも食品カテゴリにしては異例の数だそうです…!
会社の数字か、自分の人生か
Makuakeはクラファンなので、応援してくださった支援金で「オンラインストアをオープンする」ことを目標としていました。
もちろん大成功に終わったので、オンラインストアはオープン出来ます。
でも会社から言われていたのは「撤退ラインはあるよ」ということ。
会社の事業としてやる以上、このくらいの利益が出続けなければ事業として続けられない、というラインを引く必要があるということです。
また、上司からは「大量に製造してAmazonなどのモールで販売する」という計画も伝えられていました。
会社の事業としてやる以上、すべて理解できるし、当然のことだと思います。
でもどーーーーーーーうしても、わたしの中で腹落ちしなかったのです。
ぱおという歴史の上に立つお客様たちを相手にしているのに、
シビアで温度感のないビジネスにしていいものなのか。
この時の決断は早かったです、というかすでにわたしの中では決まっていました。
「とらのいスパイスをわたしの個人事業としてやらせていただけませんか」

もう二度と「さよなら」を言わないための大きな決断
会社の事業とはいえ、わたしがほぼ個人で動いていた「とらのいスパイス」だったので、副業として個人事業へのスライドを認めてもらうことが出来ました。
そしてここからオンラインストアオープンに向けて再び怒涛の毎日です。
今度は新商品のルーカレースパイスキットやブレンドスパイス、チャイミックスなどの開発に加えて商品ページをゼロから作り込む作業が待っていました。
2025年8月1日に開業届を出し、10月11日のオープンまでこれまたほとんど記憶がありません(笑)だって平日は会社員として勤務しているんですよ・・・・ハードすぎるぅ。
でもそんなハードな毎日に、わたしを突き動かしていたものはたったひとつ。
「もう二度とお客様にさようならを言わない」
この気持ちです。
ぱおが閉店するとき、あんなにもお客様を悲しませてしまった。
でもスパイス屋さんとして再スタートする時は、心から応援していただいて「ありがとう」とまで言ってもらった。
わたしは絶対にこの人たちを裏切らない、さようならを言わない。
そんな固い決心がありました。
だから人生を賭ける覚悟をしたのです。
安定した会社員としての生活を捨てて、わたしは自分の人生をかけてこの「レシピ」と「味」をお客様に届け続ける。
わたしがすべての責任を負えば、たとえどんなに規模が小さくたってスパイスを届け続けることが出来る。
2025年12月31日、お世話になった会社を退職し、わたしはとらのいスパイス店主として第二の人生をスタートさせました。
こんなわがまますぎる決断を快く許してくださった上司、会社には感謝しかありません。
守るべき大切なものが出来たわたしは、そのためにまっすぐ進む道しか見えなかったのです。
まさに、
虎は千里行って千里帰る!!!!!!!
笑笑笑
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今、とらのいスパイスはぱお時代のお客様以外にも、全国から新しいお客様がスパイスを楽しんでくださっています。
もっともっとたくさんの方にぱおのレシピの素晴らしさ、スパイスの楽しさを広めることが、今のわたしの大きなミッションです。
YouTubeで顔出ししてみたり、こうやってパーソナルな記事を書いてみたりと色々な方法で「知ってもらう」ことが重要なターンだなと考えています。
ただのスパイスじゃない、たくさんの人の歴史や思い出がたくさん詰まって、そしてわたしの覚悟がモリモリ乗っかったスパイス(重い!笑)
ぜひ今後とも「とらのいスパイス」を見守ってくださると嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
男爵いも貴婦人 様
コメントありがとうございます!そして見つけてくださりありがとうございますー!
ご家族で通ってくださっていたんですね、覚えていてくださったことが嬉しいです。
ぜひご自宅でスープカレーの懐かしい香りを楽しんでください♪キーマはぱおのスパイススキルがもりもり詰まった自信作です!
寅年仲間、よろしくお願いいたしますー🐯笑
店長と同じ年の寅年生まれです!実家は琴似にあり、ぱおには家族でしょっちゅう行ってました。
先日、ぱおのカレーがどうしても食べたくなって検索していたら見つかった「とらのいスパイス」!
さっそくキーマカレーとスープカレーのスパイスキットを注文しました。
私は現在横浜に住んでいるので、どこに住んでいてもお家でぱおの味を再現できるスパイスの存在がめちゃくちゃ有難いです。
これも、人生をかけて開店してくれた店長のおかげだなと、この記事を読んで感謝が止まらないです🐯!
rose様
ありがとうございます!琴似の片隅だけでは叶えられなかった夢を、とらのいスパイスで広げていきたいです🐘🐅✨
心から応援しています📣
美味しいぱおちゃんのカレー
全国にも世界にも広がりますようにハート💓
ユウスケのトト様
ありがとうございます!笑